腎臓にやさしい生活習慣を知ろう

[監修]東京女子医科大学 血液浄化療法科 特任教授 土谷 健 (つちや けん)先生プロフィール

腎機能が低下しているときの日常生活腎機能が低下しているときの日常生活

体調不良時の対策

腎臓の働きが低下していくと、血液中の老廃物や不要物のろ過・排泄が十分にできなくなってしまい、様々な症状を引き起こします。

また、体の中に老廃物が蓄積した状態では、免疫機能が低下し、体を守る防御力の低下が起こります。そのため、健康な人と比べて風邪などの病気にかかるリスクが高まります。

風邪をひくと、下痢や嘔吐の症状が出現する場合も珍しくありません。腎臓の働きが低下していると、下痢・嘔吐による脱水が原因で急速に腎機能を悪化させる危険があります。

下痢や嘔吐などの症状がある時は、十分な水分補給と栄養摂取を心がけるとともに、早めに医療機関を受診してください。

このように、風邪などの感染症は、腎臓を悪くさせる原因となりますので、うがい、手洗いを欠かさず風邪の予防に取り組みましょう。

また、風邪の症状緩和に用いられる解熱薬の中には、腎臓の働きを悪化させる恐れのあるお薬があります。腎臓の働きが低下している方は、かかりつけ医に飲んでもよい市販のお薬などについて尋ねておくとよいと思います。

そして、風邪をひいてしまったときには、自分の体を過信して、無理をし過ぎないようにしてください。

「規則正しい生活を送る」ことを心がけましょう

腎臓の働きが低下した状態での日常生活の基本は、規則正しい生活を送ることです。

睡眠不足や不規則な生活は、腎臓に負担がかかります。十分な睡眠をとり、ストレスをためないようにしましょう。

また、腎臓をしっかり休めることができないと、腎臓が疲れてしまいます。疲れを感じたときは無理をせず、体を休めることが大切です。

それから、繰り返しになりますが、慢性腎臓病(CKD)は、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病と密接に関連しています(図)。

このことから、生活習慣病の発症や重症化を予防するために、ご自身の生活や運動習慣の見直しを行うことが必要といえるでしょう。

腎機能低下の進行を抑えるには、普段から腎臓に無理がかかる生活を送っていないかどうかを考えることが大事です。腎臓への思いやりを持って、身体に負担をかけない生活を送ることが大切です。

腎臓病の1つにADPKD(常染色体優性多発性嚢胞腎)という遺伝性の病気があります。腎機能を低下させる遺伝性の腎臓病について、気になる方、知りたい方はここをクリック。