腎臓「働き」いろいろを知ろう

[監修]東京女子医科大学 血液浄化療法科 特任教授 土谷 健 (つちや けん)先生プロフィール

水分、電解質の調整水分、電解質の調整

水分量と電解質量のバランスを保つ

腎臓は、余分な水分や電解質、老廃物を尿として体外に排泄し、必要な水分と電解質は再吸収することで、体内を一定の環境に維持する働きをしています。

体内の水分量や、体液に含まれる電解質量のバランスを保つのも、腎臓の役割の1つです。

人の体は、約60%が水分でできています。

汗を大量にかくなど、体内の水分量が不足したときは尿の量を減らします。

一方、飲み物や食べ物で体内の水分量が増えたときは尿の量を増やして余分な水分を体外に出します。

身体を体液が入っている「水槽」と例えると、水分の出入りを調節し、体内の水分量をコントロールするポンプのような働きをしているのが腎臓です。

「電解質(イオン)」とは、血液や体液に含まれるナトリウム、クロール(塩素)、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのことで、5大栄養素のミネラルに属します。

電解質は神経の伝達や筋肉の運動に深くかかわり、腎臓はこれら電解質の量を一定に保つ働きももっています。

腎臓の機能が悪くなり、電解質のバランスが崩れると、むくみが出てきたり、高血圧や心不全などをもたらします。

最悪の場合、生命の危機にかかわることもあります。

腎臓病の1つにADPKD(常染色体優性多発性嚢胞腎)という遺伝性の病気があります。腎機能を低下させる遺伝性の腎臓病について、気になる方、知りたい方はここをクリック。