第7回 日々の腎臓病食 〜秋編〜

日々の腎臓病食

本コンテンツは腎臓病食の一例を紹介しております。摂取可能な栄養量については、患者さんごとに異なっております。ご自身が摂取可能な量については、主治医にご相談ください。

9月に引き続き、西クリニックの管理栄養士・中山理恵さん監修による腎臓病食をお届けします。塩分とタンパク質を控えつつ、秋ならではの素材を取り入れた旬のおいしさを堪能できるメニューをお楽しみください。

栗、秋さば、そしてきのこ。腎をいたわりながら秋の味覚を存分に味わう

減塩や低タンパクを心がけることは大変重要ですが、毎回申し上げているように、手間がかかりすぎる、材料の入手が困難などの理由で持続できなければ意味がありません。そこで今回も、日頃から慣れ親しんでいる家庭料理を基本に、どなたにでも簡単に作れ、満足していただけるメニューをご用意しました。
ボリュームやバリエーションを考慮し、ほんのひと手間かけるだけでできるお料理ばかりですので、ぜひ作ってみてください。

栗ごはん 栗ごはん

炊飯器で簡単に。秋を感じる栗ごはん

生の栗が出回るこの季節、栗をおいしく味わえるレシピの代表格「栗ごはん」はいかがでしょうか。むいた栗を炊飯器に入れて炊くだけで、簡単に作ることができます。醤油やみりんを加えず少量の塩と昆布だけで味付けし、栗の甘味を生かすように調理しました。生栗は下ごしらえが面倒という場合は、生のむき栗(むいた栗を真空パックしたもの)をお使いください。もち米がお手元にないときは、白米だけでもおいしく炊くことができます。

  • <材料>

  • 44

    ゆかりの風味が栗の甘さを引き立ててくれます。

  • 材料

  • 作り方

さばのカレー煮 さばのカレー煮

秋さばと組み合わせ、カレーをヘルシーに楽しむ

子供にも大人にも好まれるカレーは、手軽でおいしい家庭料理のひとつですが、ついついカレーソースをたっぷりかけてしまい、食べ過ぎや塩分のとり過ぎになってしまいます。そこで今回は、カレーを程よく楽しんでいただくために、脂がのった秋さばを使ったカレー煮をご紹介します。さばの持つ不飽和脂肪酸(DHA、EPA)には、血液中のコレステロールや中性脂肪を減少させ、血液の循環をよくする効果もあります。スパイシーなカレーソースがさばの生臭さを消し、おいしさをぐんと引き立ててくれるおすすめのひと品です。

  • <材料>

  • 22

    ししとうは、揚げる前に数ヵ所に切り込みを入れておきます。

  • 66

    時折スプーンでカレーソースをかけツヤを出します。

  • 77

    野菜を添え、彩りよく器に盛り付けます。

  • 材料

  • 作り方

五目きんぴら 五目きんぴら

低カロリーでもボリュームある満足のひと皿

定番のごぼうとにんじんに牛ひき肉としらたきを加えた、ボリュームたっぷりのきんぴらです。食物繊維が豊富なうえ、野菜それぞれの風味と食感、肉の旨みが一度に楽しめます。どんな料理にも副菜として合わせやすく重宝する一品です。

  • <材料>

  • 33

    少し多めの油で時間をかけて炒め、ごぼうに火を通します。

  • 44

    しっかりと味がしみこんだきんぴらは、白いご飯との相性もよい一品です。

  • 材料

  • 作り方

きのこのオイスターソース炒め きのこのオイスターソース炒め

きのこ類を炒めるだけの簡単&ヘルシーメニュー

まいたけ、ぶなしめじ、生しいたけなどのきのこ類を、ねぎやしょうがなどの薬味で炒めて味付けするだけの簡単副菜です。オイスターソースは、醤油と同じくらいの塩分がありますが、醤油よりもコクがあり、少量でもしっかりした味付けが可能です。

  • <材料>

  • 22

    ねぎとしょうがの香りが出るまでしっかり炒めます。

  • 44

    きのこ類はお好みで種類を変えてもおいしくできます。

  • 55

    あさつきを散らし、彩りを添えて完成です。

  • 材料

  • 作り方
身近にある食材を使い、なじみのあるメニューをご紹介し、毎日の食生活に取り入れやすいよう工夫してみました。ぜひ、ご家庭でも試してみてください。次回の「日々の腎臓病食」をお楽しみに。 身近にある食材を使い、なじみのあるメニューをご紹介し、毎日の食生活に取り入れやすいよう工夫してみました。ぜひ、ご家庭でも試してみてください。次回の「日々の腎臓病食」をお楽しみに。

中山 理恵

監修 中山 理恵 監修
中山 理恵

CKD診療や透析を行う専門クリニックで、長年にわたり管理栄養士として、個別にきめ細かな栄養指導を実践。食の楽しみを奪われがちな透析患者さんに、限られた予算でできるだけおいしい食事を提供したいと、日々研鑽を積んでおられます。他院で食事の辛さを経験し、食べ歩いた透析患者さんからも高い評価を得ています。

中山 理恵