ほかの病気などで病院にかかるときは?

ほかの病気などで病院にかかるときは?

自分の病気のことを正しく伝えられるよう、検査結果やお薬手帳を持参

ほかの病気などで病院にかかるときには、自分の病状について正しく伝えられるように、ADPKD(常染色体優性多発性嚢胞腎)で診療を受けたときの検査結果やお薬手帳を持参するようにしましょう。治療や検査で使われる薬のなかには腎機能に影響する薬など、注意すべきものがあるかもしれません。

1)他院にかかるときはどうすればいい?

腎機能や服用している薬が伝えられるよう、検査結果やお薬手帳を持参

腎機能が正常で、薬による治療を開始していない患者さんの場合は、特に気にすることはありません。しかし、腎機能が低下している場合は、薬によっては投与量や投与間隔の調整が必要な場合がありますので、検査結果を持参して医師に見せましょう。また、薬による治療を行っている場合は、お薬手帳を持参して医師に見せるようにしてください。

検査結果やお薬手帳を持参

2)ドラッグストアで売られている薬(市販薬)を使っても大丈夫?

市販薬のなかには腎機能に影響を及ぼす薬があるので注意が必要

多くの風邪薬には、解熱鎮痛を目的に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とよばれる成分が含まれています。NSAIDsは腎臓への血流低下を引き起こすため、それにより腎障害が発症することがあります。腎機能が低下している場合はNSAIDsによる腎障害が悪化しやすいため、ADPKD/多発性嚢胞腎の患者さんでは注意する必要があります。また、アルミニウムやマグネシウムを含む胃腸薬も注意が必要です。アルミニウムやマグネシウムは腎臓から排泄されますが、腎機能が低下している患者さんでは血中濃度が上がり危険です。

ほかにも注意すべき市販薬はありますので、新しい薬を使う際には、必ず医師や薬剤師に確認するようにしましょう。

市販薬

3)予防接種をしても大丈夫?

感染症予防のためにも、必要であれば接種すべき

インフルエンザなどのワクチンの予防接種が嚢胞や腎機能に影響を及ぼすことはありません。感染症による脱水で腎機能が悪化することもありますので、必要な予防接種であれば、積極的に受けるようにしましょう。

ワクチンの予防接種

4)健康診断や画像検査で注意することは?

消化管検査における脱水や画像検査で使う造影剤に注意が必要

健康診断でバリウム検査や胃カメラなどの消化管検査を行う場合、前日夜から絶食となりますので、脱水に気をつけるようにしましょう。なお、バリウム検査で飲むバリウムは腎機能に影響を及ぼすことはありません。ただし、バリウム検査の後、下剤を飲むことになりますので、脱水しないように積極的に水分をとるようにしましょう。

脱水しないように積極的に水分をとるようにしましょう

画像検査で使われる造影剤にはいくつか種類がありますが、CTや血管撮影で使われるヨード造影剤は、腎機能が悪い患者さんに用いた場合、造影剤腎症と呼ばれる腎機能低下が頻度は高くないものの起こる可能性があり、注意が必要です。また、MRIで使われるガドリニウム造影剤は、重篤な腎障害の患者さんにおいて腎性全身性線維症と呼ばれる症状が現れる割合が高くなることから、腎機能が低下している患者さんや透析の患者さんでは避けるように勧告されています。

いずれの場合でも、検査を受ける際には、自分の病気の状態がわかる検査結果とお薬手帳を持参し、医師に見せるようにしてください。