診断されたらどうしたらいいの?

診断されたらどうしたらいいの?

自分の病気の状態をよく知り、医師に相談

まずは自分の腎臓の状態と遺伝のことについて医師に尋ねることが大切です。仕事や生活の不安、家族への告知などについても診療にあたる医師が相談にのってくれますので、1人で悩まず、まずは相談してみましょう。

1)病気について医師に聞くべきことは?

まずは自分の腎臓の状態と遺伝のことについて聞いてみる

ADPKD(常染色体優性多発性嚢胞腎)は腎臓の病気であり、今、自分の腎臓がどのような状態なのかを知ることが大切です。ADPKD/多発性嚢胞腎における腎臓の状態は、腎臓の機能と大きさ(容積)によって説明されます。腎臓の機能は慢性腎臓病(CKD)の重症度分類によって示され、軽症から重症まで6つの段階(ステージ)があります。ADPKD/多発性嚢胞腎の治療や生活における制限は、この6つのステージのどの段階なのかによって決まってきます。

自分の病気が家族に遺伝するかどうかについて詳しく聞きたい場合は、医師に全国の大学や病院にある遺伝診療部門を紹介してもらいます。遺伝診療部門には、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーといった遺伝子の専門スタッフが在籍しており、遺伝カウンセリングを受けることができます。

まずは自分の腎臓の状態と遺伝のことについて聞いてみる

2)仕事や生活のことは誰に相談すればいいの?

診療を受けている医師に相談するほか、患者会やインターネットの情報を参考に

仕事に関しては基本的には継続することが可能ですが、体に負担がかかる仕事の場合もありますので、病状を踏まえて医師や職場の上司などと相談するとよいでしょう。治療費の心配もありますが、ADPKD/多発性嚢胞腎は国の指定難病であり、一定の基準を満たせば、難病申請を行うことにより医療費の補助を受けることができます。

ADPKD/多発性嚢胞腎は腎臓の機能低下や合併症により、生活や仕事、食事の制限を必要とする場合があります。自分がどのような状態で、どのような制限が必要かについては、診療を受けている医師に相談することが大切です。さまざまな制限の解決方法についても医師に相談することができますが、患者会のホームページなど、インターネット上にも解決方法などさまざまな情報が掲載されていますので、参考にするのも1つの方法です。

医師に相談するほか、患者会やインターネットの情報を参考

3)遺伝性の病気であることを家族に伝えるには?

診療を受けている医師に相談するか、または家族と一緒に受診を

ADPKD/多発性嚢胞腎は遺伝性の病気であることから、ご自分がADPKD/多発性嚢胞腎と診断されたことによって、ご家族の中に病気の人が発見される可能性があります。自覚症状がない場合でも、高血圧や腎障害の進行、脳動脈瘤などの合併症の可能性もあることから、家族で病気を共有し、検査の必要性を理解することは重要であると考えられます。

しかし、遺伝性の病気を説明することは難しく、また、家族に話した時の反応を考えると話すことをためらう人は多いと思います。このような場合は診療を受けている医師に相談し、必要であれば、家族と一緒に受診して、医師の方から説明してもらってもよいでしょう。また、遺伝カウンセリングを家族と一緒に受けるという方法もあります。遺伝カウンセリングの情報は医師とも共有され、家族もスムーズに検査が受けられます。

医師に相談するか、家族と一緒に受診を