第5回 堀江 好一さん

「リタイアした後は妻と一緒に海外でゴルフを楽しみたい」「後進の育成によって医療の質を上げたい」――これらを実現するためにも、サムスカに期待しています。

「リタイアした後は妻と一緒に海外でゴルフを楽しみたい」「後進の育成によって医療の質を上げたい」――これらを実現するためにも、サムスカに期待しています。

診療放射線技師として多忙な毎日を送りつつ、趣味に打ち込むことで私生活も充実している堀江好一さん。旺盛なチャレンジ精神はサムスカの服用開始にも生かされ、心身両面に効果をもたらしています。

診療放射線技師として多忙な毎日を送りつつ、趣味に打ち込むことで私生活も充実している堀江好一さん。旺盛なチャレンジ精神はサムスカの服用開始にも生かされ、心身両面に効果をもたらしています。

堀江さんの代表的な一日

“治療法がない”という状況から “治療法がある”に変化した喜び

Q サムスカについて、ご自身で大塚製薬に電話をして情報収集されたそうですね。

だいぶ昔に、多発性嚢胞腎(ADPKD)について難病指定申請ができるかどうか調べてみたことがありました。しかし、私が住んでいる埼玉県では当時まだ申請ができないことを知り、「できることは特にないんだ」と、以降は病気や治療のことを自分自身では調べていなかったんです。ADPKDに関する情報を伝えてくれる人も、周囲にはいませんでした。
しかし、2015年4月に同僚の医師が、難病申請ができるようになっていること、そして新しい治療薬であるサムスカが大塚製薬から発売されたことを教えてくれました。私は職場で自身がADPKDであることを告げていたので、「サムスカの件はご存知ですか」という感じで伝えてくれたのです。私の勤務している独立行政法人 地域医療機能推進機構 さいたま北部医療センターでも大塚製薬の方をお見かけしていたこともあり、自分から電話して詳細を聞くしかないと思って、その日のうちに電話をかけました。

Q 副作用に対する不安よりも、服用してみようという意気込みの方が強かったとお聞きしています。

私がADPKDと診断されたのは32歳の時で、今から20年以上も前のことです。その間、“治療法がない”という状況で生きてきたわけですから、“治療法がある”というふうに変化したことはとても大きな出来事です。副作用についても自分でしっかりと調べ、主治医からも丁寧に説明を受けましたが、人工透析を少しでも遅らせることができたらという期待の方が大きかったですね。サムスカを服用して効果があればうれしいですし、もしも不都合があればやめればよいのですから、まずは服用してみようと思いました。あまり重大なことと考えすぎないで良いのではないか、と普通に生活できている私が今思うことです。

Q 服用を開始したその週からゴルフに出掛けるほど、多尿・頻尿を負担に感じることはなかったのですか。

2015年7月に服用を開始したのですが、初日の尿量は7Lで、1時間に1回トイレへ行くリズムでしたね。聞いてはいたものの、かなりの量の尿が出るものだと若干驚きはしました。しかし、尿量はすぐに落ち着き、1日5L程度になりました。そのため、退院した週の週末にはゴルフにも出掛け、何ら支障もなくプレーができたのです。
飲水に関しても、水をたくさん飲むのが苦痛ということもなく、むしろ喉が渇くから自然と飲めるという印象です。現在は朝食時に500mLのペットボトルを1本程度飲み、その後は出勤前に2Lのペットボトルを買って病院に置いておき、仕事が終わる17時までに飲み切ります。トイレは1時間から1時間半に1回程度ですが、出張の際などトイレのタイミングが難しいときは、主治医と相談しながら状況に応じて対応しています。うまく調整しながら服用できているので、負担に感じることはほとんどありません。

服用開始から1年でうれしい変化が

Q 服用開始から1年、どのような変化が表れているのでしょうか。

診療放射線技師である私の場合、ワークステーションを使い自分でも腎容積の確認を行っています。サムスカの服用を開始して半年後に腎容積を測定した際には、主治医とともに、腎臓が大きくなるのが止まっていることを確認しました。これは非常にうれしい変化ですね。クレアチニン値は現在1.8mg/dLとやや高いものの、2mg/dLを超えたことが1度あっただけで、ほぼ落ち着いています。サムスカがもっと早くに承認され、もっと早くから飲めていたら、と思うほどです。最近の症状としては、足のむくみと逆流性食道炎がある程度です。肝臓にも嚢胞があるため、肝嚢胞を改善してくれる薬の発売を期待しています。
サムスカの服用については、もう生活のリズムの中に組み込まれていますね。私の場合、飲み忘れを防ぐために朝起きて一番にすることをこれと決めていて、目覚めたらすぐにキッチンへ行ってサムスカを服用します。2回目の服用は夜間頻尿を避けるために16時頃に設定しています。職場にサムスカを置いておいて、仕事が終わる前までに服用します。会議や残業などによって服用が18時を過ぎることもありますが、そのあたりは臨機応変に対応するようにしています。

Q スポーツがお好きとのことですが、趣味を楽しむ上で気を付けていることはありますか?

以前はスキューバダイビングに熱中していたのですが、一度船の上で転倒して軽く背中をぶつけた翌日に血尿が出て発熱し、3日間ほど入院したことがありました。嚢胞感染と診断され、転倒が原因かは定かではありませんでしたが、気を付けなければならないと思いましたね。その後、仕事が忙しくなったこともあり頻繁には海に行けないので、別のスポーツを楽しもうと考えてしばらく遠ざかっていたゴルフを再び始めたのです。今では月に3回程度はゴルフコースに出ています。ゴルフはクラブをスイングする際に体を大きくねじるため、腎臓への負担があるかもしれないと思っていましたが、今のところ何の症状も出ていません。何事も実行してみてから判断するのが私のモットーですから。
ゴルフコースに出るときは、水分補給のために1.5Lの水筒を持参します。トイレは何ホールかごとに設置されていますので行きたいと感じていなくても念のため行くようにしています。食事に関しては、特に節制していることはありません。私の場合は血圧が高くなっていないので、塩分も制限しておらず、お酒も嗜みます。ただ、外に飲みに行くことは、仕事上での付き合い以外はほとんどないですね。妻もお酒が好きなので自宅で一緒に飲むことが多く、妻の料理を肴にほぼ毎日晩酌しています。とはいえ、この病気を治療していく上で血圧には注意する必要があるので、常に自己管理を心掛けるようにしています。

Q 将来は海外でゴルフを楽しむのが目標とお聞きしました。

4年ほど前に妻もゴルフを始めました。彼女は私よりも熱心に練習していることもあり、腕前は私より上になりつつありますが、夫婦で同じ趣味に熱中できるのは楽しいことです。妻も私と同じ診療放射線技師で、お互いリタイアした後はハワイなど海外に行ってゴルフを楽しむのが夢ですね。その一方で、定年後も仕事は続けようと思っています。ペースは落としても仕事は続けつつ、海外でゴルフを楽しむための資金をためたいと思っています。私は診療放射線技師の仕事が好きなので、確かな技術と高いホスピタリティを持った後進を育てたいという気持ちもあります。60歳を過ぎても仕事や趣味で実践したいことがたくさんあり、サムスカで人工透析を少しでも遅らせて全てやり遂げたいですね。

記者の感想

奥様と一緒に海外でゴルフを楽しむこと、そして優れた診療放射線技師を育成することなど、私生活にも仕事にもやりたいことをたくさん持っていらっしゃる堀江さん。サムスカの服用が夢を実現するための大きな希望となっています。

診療放射線技師として仕事に趣味に充実した毎日を送る堀江さんのADPKD患者さんへのメッセージなどを「わたしのADPKD体験談」でも紹介しています。ぜひご覧ください。